市場経済の中で生きる私たちは、労働市場で労働力となり、おカネになる商品を生み出さなければならない。カネを稼げないモノや行為は無駄なこととして扱われる。
私たちは労働者として商品やサービスをつくり、GDPに寄与する生産活動をすることでのみで評価される。
しかし、カネにならないモノでも自分が使って満足がいくなら、それでいいだろう。
韓国で、有機農業で自給している人が語った。
「私たちは大統領よりもよいモノを食べている」「私たちの食べているモノはおカネには替えられない。おカネとは比較ができない」
形は悪く商品にはできない野菜でも、自分にとっては丹精込めて作った貴重で健康によい食べ物である。
これは、市場経済の価値基準を超えたモノである。有機野菜が商品化されない/できないからといって、それは無価値なモノではない。
商品になるモノと、商品にならないモノとに優劣の関係をつくるのが問題だ。カネを稼げる商品をつくったりサービスをおこなうことが、優位な扱いを受けるのが問題なのである(商品化される野菜は丁寧に包装されるなど)。