生きるための思想

大学院博士課程を中退してフラフラ生きてる31歳の男です。社会学などの知見をもとに市場経済至上主義を批判して、生きづらさをテーマに記事を書きます(低所得、精神障害、非モテなどの弱者問題)。もともとは韓国で農村移住者を研究してた。金のかからない歩き野宿旅をしている(有料記事ノート https://note.mu/guide)。ツイッターで思う所をつぶやいてる。

ポスト資本主義を読んで

広井良典2015)『ポスト資本主義』岩波新書

 

経済の拡大・成長がもう続かない定常化社会において、我々の働き方や生き方、社会保障はどのようになるべきかという話であった。

 

現代は、「1617世紀から続いた「市場経済プラス拡大・成長」としての資本主義システムが、成熟化ないし定常化する時期を迎えつつある」(888)という。

 

21世紀は世界人口の増加が終わり、地球全体で人口が高齢化していく。

 

また、地球資源の限界に直面したという工業化の外的な限界、モノがあふれ人々の需要が飽和した内的な限界にも直面している。

 

つまり、これまでの資本主義が実現してきた物質的な豊かさを今後も拡大していくには限界に来ているということだ。

 

定常化社会において必要な政策は、

(1)過剰の抑制、(2)再分配の強化・再編、とする(1781)、だとしている。

 

(1)については、

 

労働時間を減らして、ワークシェアリングなどを通して社会全体の失業率を減少させる(1809)。

 

今後は、福祉や教育といった労働集約的な分野は雇用を創出しやすい(1958)。

 

「資源の有限性が顕在化し、かつ生産過剰が基調となって失業が慢性化する成熟・定常期においては、人々の関心はサービスや人との関係性(あるいは「ケア」)に次第にシフトし、人が中心の「労働集約的」な領域が経済の全面に出るようになる」(1975)。

 

(2)については、

 

年金の付を役世代の保料ではなく税でまかなう。酬比例部分(二部分)の高な年金をもらう高者に年金税をおこなう。そして、相税を含む化で、「人生前半の社会保障」(子どもや若者に関連した支援)を厚くする(2211)。

 

日本では、所得つまり「フロー」の格差よりも、土地や金融資産といった「ストック」の格差の方が大きい(2233)。

 

そのため、「ストック」への課税を強化して、社会保障の財源に充てていき再分配をはかる。

 

ページ番号はKindleバージョン。

 

 

 

【所感】

経済的な豊かさを追求し続けた今までの資本主義は限界にきている。

求めるべき豊かさの方向としては、広井さんが言うように「時間」であると私も思う。

余暇などで自由に使える時間を増やしていき、精神的な豊かさを求める方向だ。

 

正社員の長い労働時間を削減すべくワークシェアリングにより、非正規労働者の正社員化をはかりつつ、失業者に仕事を分け与えるようにしていくべきだろう。

 

労働時間が減り自由時間が増えると、政治や社会問題、文化への関心をもつようになり知的な豊かさが増えていくと思う。これにより社会の文化水準も上がるはずである。

 

また、これまで資本主義が拡大させた格差も縮小していくべきだろう。

 

企業への法人税と、高所得者への課税を強化して、社会保障への財源にあてるべきだ。法人税は減税しても労働者の報酬には回らないので、法人税増税してベーシック・インカムなどの導入も進めていくべきだろう。

 

 

定常化社会において、これまでの資本主義が生んだ様々な問題を解消して、時間という豊かさを享受できる社会がつくられる必要がある。