生きるための自由研究

脱・引きこもりできそうにない半引きこもりです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

私たちは、働くために働いている

生活に必需なモノや便利なモノを、私たちはカネを出して手に入れている。商品を買うおカネを得るために私たちは仕事をして給料を稼いでいる。 仕事を得るために私たちは労働市場で労働力という商品とならなければいけない。労働をして給料をもらい税金を払う…

市場経済だけが経済ではない

市場経済での利得をもとに人間が行動するようになり、市場経済のみで人間が評価されてしまうのは、産業革命がおこり機械化が進んだ19世紀以降のことである。 それ以前には、人間は市場経済での利得をもとに動くのではなく、社会からの承認を得ることを主な動…

消費について

有名なレストランに行ったことをFBに載せる人は多いだろう(私も)。 その人は、料理の味などを楽しむことよりも、その有名なレストランに行ったという行為を周囲に示したがっているのかもしれない。 J.ボードリヤールは、現代消費社会において、人びとは有…

自分に合う「現実」を紡ぎだす

精神科医の斎藤環は、精神障害者とは「私たちと同じ言葉が喋れなくなった人」だとラカンの解説書で述べていた(*1)。 精神障害者でも社会不適合者でも、フツーの人と同じ行為や話し方ができないのに、無理矢理に自分を社会の方に合わせようと試みるが、やは…

自給の理論(2)

私たちが、商品にならないモノ、つまり市場経済で評価されないカネにならないモノをつくると、それは趣味や遊びとして、低い地位に位置づけられるか、無価値なモノとして扱われる。 私たちがつくるモノは、市場で交換されうるモノ=有用性をもつモノでないと…

自給の理論(1)

自給を考えるにあたって、イヴァン・イリイチの著書『コンヴィヴィアリティのための道具』(1973=2015,渡辺京二訳,ちくま学芸文庫)を参照にして書いてみる。 私たちは、生活に必要なモノやサービスを貨幣によって手に入れる生活に慣れきってしまっている…

自給生活の形

働けない、あるいは働かないのであれば、現金が得られない。現金が得られないのであれば、食べ物や生活に必要なモノを自分で作り出していかなければいけない。 (もちろん、身体障害や精神障害によって体調がよくないのであれば、生活に必要なモノを自分で作…

農産物の自給を主張する理由(2) 

韓国農村で帰農者の有機農業の調査で見聞きしたことから、有機農法や自然農法で作った野菜は、市場で取引するのは避けるべしと感じてしまった。暫定結論は、「商品経済の場で農産物を取引しようというのが問題」。 〈事例〉 「自然と調和した方法で農産物を…

農産物の自給を主張する理由(1) 

前回のブログで取り上げた、有機農業をおこなう若者グループと一緒に、有機農産物を扱う農協で野菜の袋詰のアルバイトをしていた話である。 その農協でジャガイモや玉ねぎの袋詰めの仕事をしている時、ある作業者が野菜の袋への詰め方が汚かったため横にいた…

社会にイイコトをすることで陥る自己犠牲という罠

農村などで田舎暮らしをして、高齢化で低迷する農村を活性化させたいと何らかの活動に従事したいという若者が多い。 しかし、地域活性化など社会にとってイイコトをすることは、やりがいを目的としていて、対価を求めず長時間労働も厭わないという自己犠牲の…

市場経済に乗っかれない人

私たちの生きている(先進国の)社会は市場経済で成り立っている。市場経済はカネを介した商品のやり取りで成り立っている。私たちの社会を取り巻く市場経済の中では、モノやサービス、労働は商品となる必要があり、商品にならないモノは無価値なモノとして…