生きるための自由研究

脱・引きこもりできそうにない半引きこもりです。

「世界」をつくる(『アレント入門』より)

言説実践による社会変革についてハンナ・アレントの考えを私の血肉としたい(中山元、2017、『アレント入門』ちくま新書)。 私たちは、言論と活動をもって他者に働きかけることで、自己と他者が立ち現われ、自己アイデンティティを獲得していく。それを通し…

ニート・引きこもり原論

引きこもりやニートなどの社会不適合者に対して社会の目は依然厳しいが、引きこもりやニートがあまりにも多くなったため、社会もそのような人に対する見方を変えつつある。 斎藤環などの「引きこもり」の専門家は、安心して引きこもり生活ができればよいと論…

「何もしない」という究極のオルタナティブ

1.経済活動ができない人間はつまはじきにされる コミュニティという言葉をよく聞くようになった。 今使われるコミュニティという言葉には、人々が孤立しがちな現代において新しい価値観によって人と人とが繋がろうという甘美な意味が匂う。 伝統的な村落や…

摂食障害・セックス依存(1)

女性にとって思春期とは、自分の身体が性的なまなざしで見られることに気づく時期である。 思春期とは、女性にとって何でしょう。それは、自分の身体が自分のものではなく、誰かの快楽の道具であり、誰かに見られることに気づく時期を指します。 (小倉千加…

二流エリートと自尊感情

日本は海外に比べて大学院修了生が少ないとされるが、日本の大学院生は修了してもなかなかいいポストに就けないし、私のように途中でバーンアウトして中退してしまう人もいる。 先進国を中心に教育期間(モラトリアム)が伸びている。韓国など兵役や留学、休…

韓国の国際結婚問題

韓国の農村では結婚相手が見つからない農家の独身男性が、海外の女性を嫁に迎えることが盛んにおこなわれている。 私の視察した村落では90年代初期は統一教会の女性、中国朝鮮族の女性であった。 近年は、ベトナム人やフィリピン人が多い。 移住女性の学歴は…

川柳①(旅、ぐうたら)

川柳を書いてみました。現代の芭蕉と名のれるよう研鑽します!! (野宿旅編)①寝転べる ベンチがあれば 即昼寝 ②寝転べない ベンチの手すりは 撤去せよ ③足のマメ 踏めば踏むほど 硬くなる ④野宿旅 出費の半分 コカコーラ ⑤歩き旅 たまには車も 使いたい ⑥…

中朝国境ぶらり旅

昔の旅行のことも書いていきたいと思います。 大学生だった頃、2008年8月30〜9月7日まで中朝の国境付近をぶらぶら旅しました。当時は韓国語を勉強してたので、中国東北地方の朝鮮族自治区を探索してみようと考えました。 (毛沢東像) 白頭山の天池は有名な…

ポルカ(投げ銭)で湖西歩き旅

今回は、ポルカ(投げ銭アプリ)で支援してもらった旅費で2泊3日の歩き旅をした。 京都−敦賀(小浜にも寄り道する予定だった)の歩き旅を宣伝し、旅行資金を募った。 polca.jp 当初、ツイッターの友人と福井県の敦賀で会う約束をして、そこまで歩く予定だっ…

福島被災地歩き旅

今回は東日本大震災の津波被災地を歩き野宿旅した記録である。 2018年7月の歩き旅は、7月11日に埼玉県川越市をスタートしたことに始まっている。 7/23までに福島県二本松市の道の駅「ふくしま東和」に到着し285kmを歩いた。 nagne929.hatenablog.com nagne92…

北関東・東北野宿旅(2)

前回の旅行記の続きである。 nagne929.hatenablog.com 7/20は道の駅「伊王野」を6時に出発して、県道76号線を北上。この道は6~7世紀における東北へ向かう古道である。また、源義経の伝説も残る地域を通る。 午前中に関東と東北を分かつ明神峠に到着して福島…

北関東・東北野宿旅(1)

7/11〜7/29まで歩いてました。 出発は埼玉県の川越駅で、歩き終えたのは仙台駅です。 424km歩きました。 旅のレポートを簡単に書いていきます。 ●歩き野宿旅は安い装備で気軽にできます。そういう情報はノート(有料記事)に書いてみました。 note.mu ●また…

野宿旅の作法

2018年の7月1〜7日の間に150kmの野宿旅行をおこないました(130km徒歩、20km鉄道)。 1日1,500円程度の低支出旅行です。 料理は夕食は自炊して翌日の昼の弁当もつくる(1食あたり300円)。野菜は買わずに野草でビタミン・ミネラルを補給。朝食はコンビニでお…

韓国の低収入で暮らす若者

以下は、2016年4月に韓国ソウルのオルタナティブ活動で運営されるシェアハウスに暮らす若者へのインタビュー記録である(活動家が有志から募った資金で社会変革活動をしている。シェアハウスは融資金で一軒家を借りる資金にしている)。この方は、大学を休学…

マイノリティと自己アイデンティティ

1.自己アイデンティティの確立 私たちは、「自分らしさ」とか「ありのままの自分」という言葉が好きだ。今の時代に象徴されるのは「個性」という言葉だ。 私たちは「自分が何者なのか?」を問われ続け、他者とは違う自己を示すことを強迫される。 「人は一…

「普通」からの解放

フロイト理論がマルクス主義とちがう点は、マルクス主義が抑圧からの解放をめざすのに対して、フロイトの理論は、抑圧への適応―精神分析医はこれを「治療」と呼ぶ―をめざすことにある。 (上野千鶴子、1990、『家父長制と資本制』岩波書店、p.5) ザックリ言…

猥談でないエロの話

1.「人権侵害となるワイセツ」が問題 性愛の世界に住まうのは、身体として生きる人間の宿命である。この世界に入るには、その切符=性別を受けとらなければならない。この世界に生きるには、その文法=猥褻をわきまえなければならない。 (橋爪大三郎、199…

脱〈男らしさ〉のファッション

「男としての行動をやめたとき、僕は男でなくなるのだろうか?」(No.968) クリスチャン・ザイデル(2015、長谷川圭翻訳)『女装して、一年間暮らしてみました。』(サンマーク出版、Kindle番)を読んでみた。 女装して、一年間暮らしてみました。 作者: ク…

オス負け犬の「愛」

1.「愛」は性的交流を必ずしも伴わない 性愛とは「自分が他者の身体を必要とする(欲する)」という現象(橋爪大三郎、2017、『性愛論』河出出版、p.18)と言われる。性的志向の対象となる相手と話したい、手を握りたい、触れ合いたい、そして心でも繋がり…

お遍路の思い出(4)食料調達術

◎サバイバル術【食料調達】 野宿旅行では野生になっている食料も豊富に使います。今回は、徳島市内でラーメンを食べたのを除き、基本自炊で行きました。スーパーとかあれば安い食材を買って調理します。 野生の食べ物を見つけるとワクワクします。旅が楽しく…

お遍路の思い出(3)野宿編

お遍路記録3回目ですが、10月の半ばに再び徳島駅に発ち3回目のお遍路に挑戦しました。でもまあ、旅のスタイルは前回と変わりありません。 nagne929.hatenablog.com 3回目は徳島駅から南下して二箇所目の難所(遍路ころがし)を経て太平洋側に到達。しかし、…

お遍路の思い出(2)旅の様子編

前回記事の続きです。前回は去年9月の4日間のアル中状態でのお遍路について書きました。 nagne929.hatenablog.com 9月のお遍路は酒浸り状態がひどくて、神戸にもどりアルコール病院に駆けつけ、それからリハビリ生活をおくりました。 そして、リハビリでジ…

お遍路の思い出(1)アル中遍路編

去年の9月と10月のお遍路旅行について書いておこうと思った。 昨年のお遍路は、歩きと野宿です。 15~20kgのカバンを背負い20~30km歩いていました。 9月のお遍路は、アルコール依存症が再発して酒浸りの状態からスタートしました。一週間くらい焼酎を一日中食…

野草を食べよう

春になると野山に野草が芽吹きます。 みんな雑草と言って目も向けないけど、農薬も何もつかっていなくて健康によい植物です。 大原扁理さんも野草をとって食べてますよね。 野草を上手くゲットできれば、生存能力が上がると思います。 以前、野草のプロのお…

性欲は飼い馴らせるか?

1.発情するのは本能か? 「発情のしくみは生理的なもの以上に文化的・社会的なもの」 (上野千鶴子(1998)『発情装置』筑摩書房、p.13) ミニスカに興奮する者は、ミニスカを履いてるのが女性であっても男性であっても(それを男性だと知りながら)反応する…

結婚制度を問う

1.結婚制度は差別を生み出す 結婚制度の問題を述べる。 結婚こそ既婚者と非婚者の間に差別を生み出している。 人間関係にはいろいろあるが、性愛で繋がる関係やそこから生まれる親子の関係こそが最も深い人間関係であるという考えが支配するのはなぜなのか…

社会の役に立たない人間はゴミだと?

1.社会の役に立たない人間はゴミだという論理 「発達障害者は社会にとって迷惑だから、子孫を残さないでくれ」、「障害者はゴミ」というメッセージが、ツイッターの質問箱を通して発達障害者当事者に送られていることが騒ぎになっている。 以上の「障害者…

「生きづらさ」を問い直す

1.「生きづらさ」は克服されるべき対象ではない ニート、引きこもり、低所得生活などの情報を、いろんな媒体を見て思うのだが、いわゆる「生きづらさ」について、かゆい所に手が届くような情報が少ないと感じる。 ニートや引きこもりは、脱出すべき対象と…

遊動生活のススメ

1.定住化による暇と退屈 以前、國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、2011年)のレビューを書いた。 それとも関連させて、今回は遊動生活のススメを書いてみる。 人類は人類は400万年前に誕生してから、長らく遊動生活をおくっていた が、1…

消費社会における暇と退屈。

國分功一郎氏の『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、2011年)を読んだ。 人類はいつから暇を手に入れ、退屈するようになったのか? 現在社会では、暇と退屈が資本によって搾取される。資本主義における暇と退屈との付き合い方を考えてみた。 ●暇と退屈の誕生 …