生きるための自由研究

脱・引きこもりできそうにない半引きこもりです。

韓国の国際結婚問題

韓国の農村では結婚相手が見つからない農家の独身男性が、海外の女性を嫁に迎えることが盛んにおこなわれている。

 

私の視察した村落では90年代初期は統一教会の女性、中国朝鮮族の女性であった。

近年は、ベトナム人やフィリピン人が多い。

 

移住女性の学歴は日本人は早稲田卒など高学歴の人もいた(統一教会)。

ベトナム人は中学卒。工場労働者。

フィリピン人の場合は短期大学(2年制)卒業の女性が多い。

結婚情報会社の仲介で来る。

 

統一教会信者(支援者インタビュー)

 

統一教を深く信じている。韓国の社会的弱者男性のもとに婚入をして歴史のマイナス部分が帳消しになるという考え。

信仰が厚いので困難に耐えて生きている。日本にいたらいい生活ができていたのに。現在は40代後半。夫は生活能力がないので女性が稼ぐ。3年ほど職業訓練を受ける。人形や財布などの作り方。ミシンの技術なども学び販売する。放課後の日本語の講師をしたり。韓国語が上手な人はセンターで多文化講師をしている。学力がある人は、保育教師、社会福祉師など勉強してなる人もいる。

 

自治体の職員に聞くところによると、移住者の中でも日本人が適応力が高いという。

 

日本人と結婚するためには、他の途上国の女性より仲介料が高い。男性の資格申請の条件が厳しい。ベトナム女性の場合は、財産および通帳残高が3,000万ウォン(300万円)程度あればいい。日本人の場合は5,000万ウォン。

 

◯農村人口への影響

 

2011年に当村落を訪問した際は、小学校の生徒59人中、国際結婚家族(フィリピン、ベトナム、中国朝鮮族、タイなど)の子女は12人も占めていた。

 

◯婚活ツアー

自治体が募集して独身男性を10人ほど連れてベトナムに行く。1人あたり400万ウォン程度の支援をする。ツアー自体は1,000万ウォンかかる600万ウォンが自己負担。2泊3日の日程で、その日のうちに女性を選んで結婚することを決める(顔を見てか、条件を見てかどうかは確かではないが)。男性がまず先に帰って来て、女性は自国での手続きを済ませてから韓国にやってくる。家計が苦しい家庭の女性が40〜50%

 

 ◯働き口

 

農家が稼ぐ収入を女性に与える家はほとんどない。だから、女性たちが自由につかえる現金収入を得ようと工場で働くようになる。農作業をせず、韓国語の勉強もせず、工場で働こうとする(キムチ工場、軍手工場など農工団地がある)。

 

工場で1日12時間働いて1ヶ月に200万ウォン(20万円)稼ぐ。韓国人より移住女性が給料20%ほど安い。工場の他は食堂(10:00〜18:00、朝に農作業を終わらせてから)。工場は拘束時間が長いので、子どもが幼かったり、農作業をかねて勤務することは難しい。その他は、農家での農作業をして日当を得る(一日40,000ウォン)。

 

 2年目になれば韓国語は勉強しなくなる。子どもの面倒や教育、韓国語の勉強には目を向けなくなる。

 

支援者は5年くらいは韓国語を勉強して能力を高め生活水準を高めるようアドバイスしているが、なかなか工場労働をやめないという。フィリピンの女性は英語ができるため、韓国ではメリットが有る。

 

◯家族との関係

 

夫から暴力を受けるケースをよく聞く。家から逃げ出す女性もいるそうだ。姑との関係もよくないケースが多い。姑は外国人女性を嫁とは見ずに金を払って連れてきた使用人のような存在と見ている。姑は家事などを昔風に洗濯は冬で水が冷たくても手洗いでやることを習慣として嫁に強制する。文明的な用具を用いることは贅沢だと考えているよう。

 

また、田舎に馴染むのためにも男性に尽くさなければいけない。家に夫の友人が訪ねてきたら酒をふるまいツマミも用意する。そうやって地域の住民と親しくなるという。

 

国籍も変えて韓国式の名前に変えた者もいる。外国の国籍だと車の保険料などが高くなる。だから韓国籍に変えようという。

 

しかし、夫が国籍を変えさせないようにする。国籍を韓国に変えると逃げていくかもしれないという恐れ。だが、支援者は、「国籍をそのままにしようが逃げる時は逃げてしまう」という。

 

◯血の継続

 

農村独身男性に対して海外女性をあてがうのは80年代の新潟県魚沼市など)の稲作地帯でも見られた。家の存続が目的だろう。韓国でも独身男性の母親が「結婚しろ」と迫るようだ。年配の世代が強固な結婚観をもっている。結婚しなくてもいいという観念が浸透すれば人身売買的な国際結婚もなくなるだろう。