大学院に入り修士課程を終えて就職をするつもりだった。
しかし、学部に続き大学院でも就職活動は失敗する。
履歴書は上手く書けないし、面接では志望動機からして何を話していいか困ってしまう。
面接官からの「我が社に志望された理由は何ですか?」という質問に、「御社から呼ばれたので」とか言ってしまう。
ふざけているように見えるが、当時の私は必死だった。何も言うことが無いのだから。
次第に面接も苦痛になってくる。
大学は京都で、大抵の面接場所は大阪だった。私は面接が苦痛になると酒に逃げた。
京都から出かける前に酎ハイやカップ酒を飲んで大阪の面接会場に行くこともあった。また、行きの電車の中で、酒を飲みすぎてしんどくなって面接をキャンセルしたこともある。
就職活動中に東日本大震災が起こり企業の採用活動が一斉にストップする。
私は採用活動が休止している間に研究活動をしていたが、採用活動が再開したタイミングを見逃してしまい、これで就活は失敗したことになった。
休学して公務員試験でも受けるかなとか考えだした。
もともと、修士に進学する時、公務員を受けようと考えていたが、不器用でスペックの低い自分は研究以外の勉強に手をつける余裕がなかった。
ここで、ある知らせが飛び込んでくる。
韓国政府からの給与奨学金が当たったのだった。
これは、自分の研究への励みとなり自信がついた(実は簡単に受けられる奨学金だったのだが)。
このまま、就職したら自分の好きな韓国と関わることはできなくなる。
韓国に行ったり自分しかできないことをやるのは大学院の研究しかないのではないかと思うようになった。
そこで、何となく博士課程に進学しようと考えだした。
就職活動の失敗、給与奨学金の授与で自分の実力を勘違いしてしまい博士課程への進学を決めた。
研究者としての適性を全く欠いているにも関わらずである。
実力が無いにも関わらず博士課程に進学すると確実に失敗する。
次回は私が完全に潰れるまでの話をしたい。
(続く)