生きるための自由研究

脱・引きこもりできそうにない半引きこもりです。

生きづらさ

なぜ、「働いたら負け」になるのか?

【目次】 1. 社会に必要な仕事ほど損をする 2. 労働イデオロギーが無駄な仕事を増やしている 3. 資本主義では労働をすることが不利になる 4. 生活できる水準の賃金が保障されていない 5. アリ的な生き方をしても報われない 6. 【結論】低収入者は「働いたら…

回復ー毎日を祭りのように生きろー

9/11で断酒3年となった。2014年4月にアルコール依存症と診断され断酒していたが、3年半後の2017年9月にスリップ(再飲酒)してしまった。うさばらしで酎ハイを一本飲んでしまい、ズルズルと焼酎をラッパ飲みするようになる。酒を飲み続けたままお遍路に旅立…

非日常へのスピンアウト

【目次】 1.非日常へのスピンアウト 2.大きな非日常から小さな非日常へ 3.非日常は複数性を担保する 4.非日常はなぜ楽しいのか 5.非日常に誘う人の存在 6.非日常いろいろ ◉ 知らない街に行く ◉ 街で知らないおっちゃんに話しかける ◉ 旅先のゲストハウ…

「引きこもり」はなぜ這い上がれないのか?

「引きこもり」を事例に、社会的に低い立場に置かれたり周縁化された人(=サバルタン)がなぜ社会の中で這い上がれなくなるのかを文章化したい。「引きこもり」の問題だけでなく、マイノリティ全般のエンパワーの課題についても多くカバーできると考える。…

生活保護を前提とした引きこもりの生存戦略

【目次】 1.引きこもり・ニートは生活保護を前提として生きる必要がある 2.福祉利用をためらわせ困窮者を追い詰める労働イデオロギー 3.税金を食う巨悪は他にいる 4.生活保護への負の意味付けを解消する 1.引きこもり・ニートは生活保護を前提として生…

トーン・ポリシングについて

【目次】 1.トーン・ポリシングとはマイノリティ封じ込めの手段 2.トーン・ポリシングの類型 ①相手の態度に対する攻撃 ②相手の立場に対する攻撃 ③違う話題をぶつけることで相手を封じ込める 3.私の受けたトーン・ポリシング 4.トーン・ポリシングは…

能力主義(近代合理主義)を問う

1.能力主義による序列づけの正当化 出自やジェンダーなど属性によって人の間に序列をつけることは差別として非難される。しかし、能力については、それが劣ると本人の落ち度として責を問われてしまう。能力というものは本人の努力によって変えられると思わ…

引きこもりデモ@厚生省前

4/1、4/2に厚生労働省前で「引きこもりに福祉を! 社会保障を家族単位から個人単位へ」という訴えをおこなった。 厚生省職員が出所する時間帯で、職員たちに訴えるかたちとなった。 カンパなどで金が貯まったら、また東京の厚生省前で訴えをおこないたい。 …

引きこもり問題は家父長制が生み出している

日本における引きこもり問題は、家父長制に基づく家族主義的な社会保障制度によって生じていることを指摘しておきたい。 「引きこもり」が問題とされるのは、以下の2つにおいてである。 ①金の供給源がないこと ②居場所がないこと ※今回は①を取り上げる、②に…

社会保障の強化のために

●現代社会では金は生存に直結する 障害はインペアメントとディスアビリティに分けられて考えられる。 社会モデルは、社会が負担を負えば解決する障害のことをディスアビリティと呼ぶ。そして社会が負担を負っても解決しない障害はインペアメントとする。 (…

家族と同居する経済困窮者が社会保障を受けられない問題

民法における家族の扶養義務が家族と同居する経済困窮者を追い詰めるという問題を提起する。これは、実家ぐらしの引きこもり・無業者などの経済的問題を生み、「自立」の妨げとなっている。経済的自立できない主婦や介護者も対象にする問題でもある。 私は、…

居場所イベントします(大津)

1月に大津にて社会で孤立しがちな人たちの居場所をつくる集まりをします。今後月1回のペースでやりたいと思います(アメブロに告知をしています)。 https://ameblo.jp/haruchan19860929/ 【初回日時】2019年1月14日(月・祝) 14:00〜17:00 【名称】居場所…

個性を求められることのしんどさ

以前、恥を覚悟で私の苦しさをブログに書いた。 nagne929.hatenablog.com この苦しみは、私が自己アイデンティティを確立できていないゆえから生じているのだろう。 活動や表現活動がうまくできない、センスがなく他人から反応が薄く自己アイデンティティが…

生活保護制度の隠れた問題点

ざっと書く。 ・単身居住を求められる 私は、以前役所に生活保護の相談に行ったことがある。その時は、知人の男性の家に同居させてもらっていた。生活保護を受給するためには独身者の場合、単身にならなければいけないと言われた。生活保護制度は本人の「自…

「自由」に生きられるか?

苫野一徳さんの『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)では、「自由」とは何かをヘーゲルなどをもとに述べ、どうすれば「自由」に生きることができるかが書かれている。 アーレントの「現れの空間」をつくることや、見田宗介のいう「交響圏」を目指すことに…

「何もしない」という究極のオルタナティブ

1.経済活動ができない人間はつまはじきにされる コミュニティという言葉をよく聞くようになった。 今使われるコミュニティという言葉には、人々が孤立しがちな現代において新しい価値観によって人と人とが繋がろうという甘美な意味が匂う。 伝統的な村落や…

二流エリートと自尊感情

日本は海外に比べて大学院修了生が少ないとされるが、日本の大学院生は修了してもなかなかいいポストに就けないし、私のように途中でバーンアウトして中退してしまう人もいる。 先進国を中心に教育期間(モラトリアム)が伸びている。韓国など兵役や留学、休…

マイノリティと自己アイデンティティ

1.自己アイデンティティの確立 私たちは、「自分らしさ」とか「ありのままの自分」という言葉が好きだ。今の時代に象徴されるのは「個性」という言葉だ。 私たちは「自分が何者なのか?」を問われ続け、他者とは違う自己を示すことを強迫される。 「人は一…

「普通」からの解放

フロイト理論がマルクス主義とちがう点は、マルクス主義が抑圧からの解放をめざすのに対して、フロイトの理論は、抑圧への適応―精神分析医はこれを「治療」と呼ぶ―をめざすことにある。 (上野千鶴子、1990、『家父長制と資本制』岩波書店、p.5) ザックリ言…

オス負け犬の「愛」

1.「愛」は性的交流を必ずしも伴わない 性愛とは「自分が他者の身体を必要とする(欲する)」という現象(橋爪大三郎、2017、『性愛論』河出出版、p.18)と言われる。性的志向の対象となる相手と話したい、手を握りたい、触れ合いたい、そして心でも繋がり…

結婚制度を問う

1.結婚制度は差別を生み出す 結婚制度の問題を述べる。 結婚こそ既婚者と非婚者の間に差別を生み出している。 人間関係にはいろいろあるが、性愛で繋がる関係やそこから生まれる親子の関係こそが最も深い人間関係であるという考えが支配するのはなぜなのか…

社会の役に立たない人間はゴミだと?

1.社会の役に立たない人間はゴミだという論理 「発達障害者は社会にとって迷惑だから、子孫を残さないでくれ」、「障害者はゴミ」というメッセージが、ツイッターの質問箱を通して発達障害者当事者に送られていることが騒ぎになっている。 以上の「障害者…

「生きづらさ」を問い直す

1.「生きづらさ」は克服されるべき対象ではない ニート、引きこもり、低所得生活などの情報を、いろんな媒体を見て思うのだが、いわゆる「生きづらさ」について、かゆい所に手が届くような情報が少ないと感じる。 ニートや引きこもりは、脱出すべき対象と…

働きたくても働けない社会

若年無業者についての本を読んだ。 www.amazon.co.jp この本では、職に就かない者を無業者と呼んでいる。ニートと異なるのは、何らかの職業訓練などを受けている者も無業者に含めているからである。 若年無業者の数は200万人を超え、15〜39歳の若者の16人に1…

高等遊民

私は大学院修士までとったのに、ニートとは誠に情けない。職歴が無いので、単純肉体労働にしか就けず、労働意欲を完全に失ってしまった。 ニート生活を続けていて、高等遊民という言葉が皮肉に聞こえてくる。 高等遊民とは、大学などで高等教育を受けた後も…

プレカリアート

Wikipediaに載っていた学歴難民という用語を見て自分のことだと思った。 「学歴難民(がくれきなんみん)は、主に一流や難関と言われる名門で有名・名高い大学や大学院を卒業しておきながら、就職活動をしても一流(と言われる)企業に就職できず、無職やニ…

自分の能力を生かすことができないのは不幸だ

自分に合わない仕事は苦痛だ。 仕事などの向き不向きを考える上で参考になるのが、ノーベル経済学賞をとった、アマルティア・センのケイパビリティという概念である。 センが途上国において問題としたのは、絶対的なカネの欠乏である貧困だけでなく、個々人…

働きすぎなくても生きていける社会に

東京都知事選でリベラル陣営は、「選挙に勝てそう」というだけで鳥越さんを擁立した。 鳥越さんに関して残念なのは、「これからの生き方、働き方」について言及が少ないことだ。 (小池さんだって、「都庁職員残業ゼロ」を言っている) 日本では、正社員にな…

弱さでつながりたい

またもや、頭が重く体調がかんばしくない。 私は、ネット上で自分の弱さを積極的に開示している。 弱さの自己開示が必要だと考えている。 自分の弱さが他人に見られることで、「社会には弱い人もいるんだ」という認識が広まり、マッチョな社会が少しでも弱さ…

社会にイイコトをすることで陥る自己犠牲という罠

農村などで田舎暮らしをして、高齢化で低迷する農村を活性化させたいと何らかの活動に従事したいという若者が多い。 しかし、地域活性化など社会にとってイイコトをすることは、やりがいを目的としていて、対価を求めず長時間労働も厭わないという自己犠牲の…